JRA育成馬
全国のサラブレッドのセリにてJRAが購入した1歳馬をJRAの職員が育成した後に競走馬となった馬を指します。
その中から、重賞を勝つ活躍馬が出ているので、ある程度の実績を残しているといえます。
JRAがサラブレッドをセリにて購入し、育成することの狙いは、サラブレッドの出走、売却からの利益を目的としたものではありません。
その目的の本質は、サラブレッドの育成における研究をJRAが行い、その結果をシンポジウムにて発表し、サラブレッドの育成の質の向上をはかり、日本国内の競馬の発展を狙っているというものです。
そのため、生産育成研究を精力的に行い、生産育成技術の開発を通して得た成果を普及しています。
事実、近年の日本国内の牧場における生産育成技術は飛躍的に伸びています。
日本競馬は、1990年頃までは世界の競馬から遅れた状態であり、競馬後進国と言われていました。
しかし、ちょうどその頃輸入されたサンデーサイレンスという絶対的な種牡馬の輸入によって、日本の競馬界に革命が起きました。
日本の主要な大レースの勝ち馬のほとんどをサンデーサイレンス産駒が占めるようになり、サンデーサイレンスの力で日本の競馬が現在の地位にまで上り詰めたと言われています。
現在の日本調教馬は、海外の大きなレースで勝つことができるようになっています。
ドバイワールドカップでヴィクトワールピサが優勝し、ディープインパクトという世界的な名馬の誕生によって、その地位は確立されました。
ただ、より強い競走馬の誕生には、遺伝子と潜在能力だけでは不十分です。
1980年頃に、日本の競馬界では育成の重要性について問われ、それを重んじるようになっていきました。
サンデーサイレンスの輸入と、その意識改革のタイミングが絶妙にマッチしたことによって、日本の競馬界が飛躍的に発展したのです。
つまり、強い競走馬を作るためには育成技術が必要不可欠です。
更なる日本競馬界の発展に向け、JRA育成馬の貢献度は非常に高いといえます。